東京メトロ南北線では天井まで届くような高さの高いホームドアが設置されています。
本記事ではなぜ南北線にだけ天井まで届くようなホームドアが利用されているのかについて解説します。
✔︎本記事の内容
- 東京メトロ南北線だけ天井近くまで密閉するようなホームドアが使われている理由
- 東京メトロで設置されているホームドアは大きく分けて2種類
- これから導入するホームドアの主流はハーフハイトタイプ
東京メトロ南北線だけ天井近くまで密閉するようなホームドアが使われている理由
東京メトロ南北線に天井近くまで覆われているホームドアが設置されたのは1991年の開業当時まで遡ります。
当時はホームドアの考え自体がまだ浸透しておらず実証試験的に天井まで届くタイプのホームドア(フルハイトタイプ)が導入されました。
しかしながら東京メトロでこのタイプのホームドアが利用されているのは南北線だけで、それ以降他の路線ではハーフハイトタイプと呼ばれる胸の高さくらいのホームドアが利用されています。
つまり南北線だけでフルハイトタイプが設置されている理由としては、
南北線でフルハイトタイプを設置したものの費用対効果の大きさを鑑みて他の路線ではハーフハイトタイプを設置するようになったから
ということになります。
なぜハーフハイトタイプのほうが費用対効果が大きく、天井まで届くタイプのホームドアが他の路線に浸透しなかったのでしょうか。
東京メトロで設置されているホームドアは大きく分けて2種類
ここで東京メトロで導入されているホームドアを大きく2種類に分けて紹介します。
ホームドアタイプ | フルハイトタイプ | ハーフハイトタイプ |
---|---|---|
高さ | 天井近くまで | 大人の胸くらいの高さ |
コスト | 高額 | 標準 |
空調効果 | 高い | 低い |
列車の風圧 | 防げる | 防げない |
導入路線 | 東京メトロ南北線 | 東京メトロの南北線以外の路線 |
フルハイトタイプはホームと線路が完全に分かれているのでホーム側空間の空調が効きやすいです。
また列車が到着した時の風圧も防いでくれます。
しかしながらコストはハーフハイトタイプよりも割高であることがデメリットになります。
これから導入するホームドアの主流はハーフハイトタイプ
東京メトロはホーム上の安全性向上を目的として全路線全駅へのホームドア設置計画を進めています。
そして発表されたホームドア設置計画を見ると、これから各路線に設置するホームドアの仕様はハーフハイトタイプのものでした。
東京メトロ全路線全駅のホームドア設置計画を決定しました
引用元:東京メトロ
ハーフハイトタイプを採用した背景としては、
- 転落防止効果がフルハイトタイプと遜色がないこと
- 設置が容易であり既存路線に展開しやすいこと
が挙げられていますね。
現在では、転落防止効果がフルハイトタイプと比べて遜色ないうえ、設置が容易であり既存路線に展開しやすいことから、ハーフハイトタイプが主流になっています。
引用元:東京メトロ
そして上記の理由に加えてハーフハイトタイプの方がコストを抑えられることも大きな理由になっているでしょう。
つまり費用対効果を鑑みてフルハイトタイプではなくハーフハイトタイプを選択したということになります。
以上のような背景により東京メトロ南北線でのみフルハイトタイプのホームドアが利用されている形になります。