みなさん、大学院生にどんな印象をお持ちでしょうか?
……実は全然違います!!
今回は大学院から社会人に上がった私が感じた大学院生の苦労をお話ししたいと思います。
目次
【前提】私の大学院時代と社会人時代の環境の比較
私の通っていた大学院の研究室
- 学費1年間100万円
- コアタイム10時〜18時
- 月1回の進捗報告前は21時くらいまで実験
- 研究内容:バイオ系
- 通学時間50分
- 2018年4月〜2020年3月
現在の就職先
- 1年目給料400万円(ボーナス込)
- 勤務時間9時〜18時(週1出社)
- 残業時間は月平均10時間
- 仕事内容:システム導入、新技術の実証試験
- 通勤時間1時間
- 2020年4月〜
私が感じた大学院生のころ大変だったこと
①お金を支払って労働をすること
私が通っていた大学院は私立だったので年間で100万円を支払って研究活動をさせていただいておりました。
コアタイムは10時から18時までで研究発表前などは遅くまで残って実験してました。
ただアルバイトができるほどの余裕はなかったので大学時代の貯金を切り崩しながら実家暮らしの生活でしたね。
一方、社会人になってからは月に20日勤務すれば手取りで20万円程度入ってくるようになりました。
やっている実作業自体は大学院と社会人でほとんど変わらないのに一方はお金を払って生活し、もう一方はお金をもらって生活するのはなんだか不思議ですね。
もちろん、やる仕事の責任の重さや納期の厳格さ、時間厳守など社会人のほうが縛りは大きいですが、やっていること自体は大して変わりません。
②この世に存在しない新しいことを証明する難しさ
これも実際にやってみて大変だったことですね。
大学院生は修士課程を修了するために修士論文を完成させて教授の前で報告発表会をしなければいけません。
修士論文の質や量は研究室ごとに基準が異なりますが、総じて共通しているのは「新規性を求められる」ということです。
とはいいつつ、新規性なんてそうそう簡単に見つけることができません。
大学院生に上がったばかりの自分が思いついたアイデアなんて、世界中にいる研究者の誰かしらが絶対先にやっちゃってるんですよ涙
なので自分で精一杯考えて進捗報告で発表しても、「それの新規性はなに?」とか「それやってて意味あるの?」とかバンバン言われます。
って感じになってました。
僕は地頭がいい方ではなかったので論文とかを読んで、
と変なところで自問自答しながら研究活動に明け暮れていました。
③やろうと思えば無尽蔵に研究ができてしまうこと
と思うかもしれませんが、地味に負担があります。
社会人の場合は労働時間と労働時間外の線引きがはっきりしています。
夜遅くまで仕事をしていたら残業代が出ましたし、あまり遅くまで仕事をしすぎると残業時間が多すぎるということで上司からストップがかかりました。
パソコンを家に持ち帰って仕事をするにもパソコンに起動時間のログが残るので、隠れて仕事をすることができません。
一方、大学院生の場合は労働基準法の適用外であり、研究時間の管理もあいまいで自分が今月何時間研究したかもわかりません。
研究で使用するパソコンも自前のものでもちろん起動時間の管理などはありません。
特に進捗報告会の前は夜遅くまで実験をして、そこからデータを取りまとめて、スライド資料を作成して、なんてことをしていたら朝日がのぼっていたなんてこともザラでした。
社会人は勤務時間内に業務を終えなければならないという辛さもありますが、大学院生は〆切に間に合えば延々に時間をかけられるというのが僕の性に合わなかったですね。
④勤務時間外の開放感が違うこと
これも無尽蔵に研究ができてしまうことに関連します。
いくらでも研究ができてしまうので土日に研究室に来て実験をする人が結構います。
これが問題なんです。
自分がプライベートの時間を過ごしている時も研究のことがちらついて「研究しなくて大丈夫かな、、」という不安感に襲われていました。
社会人になってからは明確に業務時間と休暇時間が分かれているので休みの時に仕事のことを考えることは少なくなりました。
まとめ
以上、今回は社会人になってわかった大学院生の大変なところをお話ししました。
大学院生の時はそれが当たり前だという考えでしたが、外の世界に出てみてはじめて当時の生活が普通ではないということに気づくことが多々あります。
みなさんも悩んでいることがあったら少し視野を広げてみると意外なところに解決策があるなんてことがあるかもしれませんね。